大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和55(オ)792 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

裁判官がした争訟の裁判に上訴等の訴訟法上の救済方法によつて是正されるべき

瑕疵が存在したとしても、これによつて当然に国家賠償法一条一項の規定にいう違

法な行為があつたものとして国の損害賠償責任の問題が生じるわけのものではなく、

これが肯定されるためには、当該裁判官が違法又は不当な目的をもつて裁判をした

など、裁判官がその付与された権限の趣旨に明らかに背いてこれを行使したものと

認めうるような特別の事情があることを必要とすると解するのが相当である。本件

において仮に前訴判決に所論のような違法があつたとしても、それだけでは未だ右

特別の事情がある場合にあたるものとすることはできず、したがつて、上告人の本

訴請求が理由がないものとした原審の判断は、結論において正当として是認するこ

とができる。論旨は、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主

文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 本 山 亨

裁判官 団 藤 重 光

裁判官 藤 崎 萬 里

裁判官 中 村 治 朗

裁判官 谷 口 正 孝

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